平成29年度発行 ものづくり事例集(第3刊)
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木箱用板材の内製作業化に伴う新たな化粧木箱の商品化と新分野進出1本事業への取り組みの経緯【さいとう木箱のものづくりを支えるスタッフ】創業当初から長崎魚市(株)向けにトロ箱を製造・販売していた。しかし、流通形態の変化などでトロ箱(木箱)から発泡スチロール・プラスチック箱の需要が増える一方、木箱の需要は大幅に減少した。その影響でトロ箱専用製材業者の中には、廃業していく業者もみられるようなった。当社も板材の仕入れが難しくなり、限られた製材業者からの板材仕入れではコストが嵩み、収益を圧迫していた。そのため、製材機を導入し原木丸太材を仕入、製材することでコストを抑える一方、自社で加工し新商品を開発することで、新規取引先を増やし売上アップを図ろうと考えた。2実施内容【製造工程:製材】製材するための建物を新たに建築、補助金を利用し製材機と研磨機を導入、両機を動かすための電気工事などを行い機材を整えることができた。自社で製材できるようになったことで、発注者からの数量・サイズ・用途・表面加工など色々な要望に柔軟に応じることが可能になった。木箱の種類も荒材使用のトロ箱から質の高い化粧木箱までバリエーションが増えた。化粧木箱はディスプレイ用としての商品価値が向上し、これまでのような「単なる入れ物」としての役目だけではなく、商品や売り場の魅力を引き立たせる存在となった。平成28年にシルク印刷を導入、木箱の側面などに店舗名や商品名などを印字することでアピール度が増し、お客様の要望に応じたオリジナルの木箱を提案できるようになり、新しい化粧木箱の商品も数多く開発できるようになった。他にも、産地直売所向けに「本日のおすすめ!」「産直新鮮」「地元産・とれたて野菜」などのPOP木札を製作し、試作品も作っている。3取組成果・波及効果【化粧木箱とPOP木札】化粧木箱とPOP木札の試作品を青果・生花・干物などの販売業者に持ち込み、10軒の店で使用してもらい反応は良好であった。関東方面の産地直売所約1000ヶ所にDMを発送、農家からイベント用の「オリジナル木箱を作って欲しい」との注文を受けた。平成28年10月から自社HPを立ち上げアピールする一方、店舗用品やサイン・ディスプレイなどを手掛ける(株)日本演出が展開している「賑わい創りの道具や」のカタログとネットに掲載が決定、今後の伸展が期待される。●さいとう木箱代表斉藤宏●Eメールアドレス/saitoukibako@seagreen.ocn.ne.jp●設立年月/昭和60年4月●業種/木製品製造業●従業員数/9名11

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