平成29年度発行 ものづくり事例集(第3刊)
27/64

高齢者の住まいづくりと全てのお客様のハウスドクターを目指した事業展開1本事業への取り組みの経緯【本社外観】大正4年創業の家具製造、販売会社。販売業で培った経験を活かし、卸売価格によるローコストお手軽リフォームの提案と専門スタッフによる安心施工を手掛けてきた。これまで顧客のライフスタイルに合った快適な住空間を提案してきたが、今後住宅リフォーム事業の顧客拡大には客層に合わせてバリエーション豊富な提案が必須と考えた。IT利活用による3D画像を使って、顧客の要望を立体的に可視化することで、より具体的な提案が可能となる。高齢者にもわかりやすく、イメージも膨らみやすいことからリフォーム工事に対する関心向上に繋げ、売上拡大を目指すため本事業に取り組んだ。2実施内容【3D建築CADシステムを基に施工】住宅リフォームの受注増加を目的とし、平成26年頃より「3D建築CADシステム一式」の導入を検討してきたが、取引先の紹介で福井コンピュータアーキテクトの3D建築CADシステムACHITRENDZEROと出会った。このソフトを使い室内及び外構の完成イメージ図を作成し提案の仕方等もテストをする中で、顧客に具体的に提案できる目途がたち事業拡大に期待が持てるようになった。講習会を受け基本的な使い方と図面作成、各社員が自主研修を行い、実際に工事依頼を受けた顧客の住環境をイメージして練習するようにした。ソフトの使い方を復習するために実際の受注物件を練習材料にしたが、サンプルを用いて練習するよりも、具体的な状況を把握しながら図面作成するので、最も適した練習方法であった。また、メーカーの有料カスタマーサービスに加入し操作を学習するなかで、社内で精通したマスターが育ち、他の社員に対して操作指導も行えるようになった。3取組成果・波及効果【顧客の完成イメージと竣工後の一致】3D建築CADシステム一式を利用してバリエーション豊富な図面作成と提案が可能になった。また、顧客が具体的にイメージできることで満足度を向上させるだけでなく、商談回数が減っても受注率が高くなることが期待される。顧客のリフォームに対する意識向上や興味を引き出すためのツールとしても利活用でき、さらに工事に対する不安や心配を解消し事業拡大に繋がる目途がついた。メインソフトは建材メーカーの新商品情報が更新されるため、最新の情報を共有でき、顧客提案力も高まっている。●有限会社吉次商店代表取締役岡淳兵●Eメールアドレス/info@yoshitugu.jp●設立年月/昭和31年9月●資本金/600万円●業種/新築工事・リフォーム工事・外構工事、インテリア用品、住宅設備機器販売●従業員数/8名25

元のページ  ../index.html#27

このブックを見る