平成29年度発行 ものづくり事例集(第3刊)
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37【自社農園の収穫風景】【小袋用全自動ガス充填機システム】【店内の様子】全自動包装機器導入を通じた生産性向上と高品質商品の安定提供の確立1本事業への取り組みの経緯昭和3年創業以来、県特産品である「世知原茶」の製造販売を手掛けており、自社生産の茶葉の他、茶栽培農家から生葉を仕入、荒茶及び仕上加工、販売を行っている。平成26年度、世知原町初の遠赤外線回転火入れ乾燥機を導入したことで、従来比最大2.5倍の生産が可能となった。また、従来の熱風方式と遠赤方式を組み合わせることで新商品の開発も進んでいる。しかし、パッケージ工程は手作業であるため計量とパッケージに各1名の人員を配置する必要がある上、工程に時間を要するため生産性や品質維持、均一な商品提供の点でパッケージ工程の改良が課題となっていた。2実施内容お茶パッケージ機械の導入を決め、機械メーカーはお茶の展示会でメーカー専用のブースが設けられていたことから以前から知っていた2社に絞り込んだ。購入先の決定については、メンテナンスなどすぐに対応可能な地理的に最も近い福岡に事業所がある業者を選定した。機械は使いやすく、工場内の空きスペースにマッチするサイズである「小袋用全自動ガス充填機システム」に決定。搬入・設置完了後に装置の説明を受け、機械操作や作業手順の確認し、機械能力に応じたパッケージ工程の見直しを行った。今まで計量に1名、パッケージに1名の2名体制だったが、機械導入により計量からパッケージまで全自動になり1名で済み省力化が図られた。機械に搭載されているパネルでお茶の種類に応じた内容量や計量パターンを詳細に設定できるため、専任スタッフの簡単な指導で誰でも作業ができるようになり、余剰人員を販売など他の業務に回すことで、生産性はもちろん、人事配置なども効率的になった。3取組成果・波及効果パッケージ工程において手作業2名体制で1時間当たり200本の生産能力であったが、機械導入後は1名体制、1時間当たり500本の生産が可能となった。パッケージ工程の時間短縮により茶葉の火入れや選別に時間をかけることができるようになった。また、茶葉は酸素に触れると酸化し味わいが低下するが、時間短縮や密閉性の向上で品質は飛躍的に上がった。また様々なパッケージ商品の生産が可能となったことで、商品開発力が高まり、人員1名を店頭販売に配置することが可能となったため、丁寧な商品説明など顧客サービスの充実に繋げている。●有限会社小林製茶代表取締役小林幸平●Eメールアドレス/kobayashiseicha@quartz.ocn.ne.jp●設立年月/昭和56年7月●資本金/1,000万円●業種/製茶業●従業員数/8名

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