平成30年度発行 ものづくり事例集(第4刊)
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Company Information課  題取  組結  果受注拡大を目的とする画像判定機能付検査装置導入による品質向上と低コスト化■受入検査時間48%削減■最終検査時間33%削減■製造コスト3.2%削減■高品質製品の提供による信頼獲得■画像判定機能付検査装置の導入■海外メーカーとの競争力強化フレキシブルプリント基板の品質向上と低コスト化■設 立/昭和48年3月■資本金/3,000万円■業 種/フッ素樹脂コーティングファブリック、コンベアベルトおよび粘着テープの設計、製造・販売 他■従業員/70名☎0957-38-3520  FAX.0957-38-3522http://www.hondaoh.co.jp■本 社/〒244-0003 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町3814長崎工場 九州営業所/〒859-1113 長崎県雲仙市吾妻町布江名677■代表者/代表取締役社長 本多 克也本多産業株式会社フッ素樹脂・シリコーンゴム製品の製造・開発メーカーである本多産業株式会社は、長崎工場でガラスクロスなどにフッ素樹脂をコーティングした製品を製造している。これは、デジタルカメラやスマートフォン、タブレット端末等に用いられる、柔軟性のある回路基板「フレキシブルプリント基板(FPC)」の製造工程における熱圧着工程で、耐熱離型用シートとして利用されているもので、FPCの製造に欠かせない工程材料である。スマートフォンやタブレット端末市場の拡大傾向に比例して、FPC市場も拡大。機器の小型化、薄型化に伴い、FPCも高機能化が求められるようになった。一方で台湾、韓国、中国メーカーの勢力拡大、新規参入により価格競争が激化している状況であった。 製品品質の向上と価格の低減。この2つの課題を解決することでFPC製造メーカーの要望に応え、更なる受注拡大に繋げることを目的に、画像判定機能付検査装置の導入を行なった。 製品は圧着工程で用いられるため表面の平滑性が求められるが、ガラスクロスは非常に柔らかく、シワや突起ができやすい。そこで凹凸のチェックを行うのだが、従来は目視で行なっていた。これをカメラで行うようにすることで品質のばらつきをなくし、検査時間の低減、コストの削減を図ったのである。 非常にシビアな表面状態を実現するため、装置の製造には複数の機械メーカーを選定。業者決定後も度重なる試験、調整を行なった。 設備の導入により検査速度が格段に向上。原材料の受入検査では48%、製品の最終検査では33%の時間短縮効果があるとともに、製造コストも3.2%削減できている。 また、検査精度が上がったことで、受入時に基準に満たない原材料をメーカーにフィードバックできるようになった。これにより、製造の前工程でのチェック機能が徹底され、品質も担保できている。 「本多の商品を使っておけば大丈夫」と言ってもらえる品質は海外ユーザーの増加、更には太陽電池パネルメーカー、製袋加工メーカーの要望にも繋がり、売上も順調に推移している。厳密な品質チェックを経て製造される、高品質でバリエーションに富んだ製品群設備導入時は第4工場までだったが、現在は第5工場まで稼働。新たに第6工場も建築中と、事業規模が広がっている市場拡大も海外メーカーの進出で競争激化。生産性が格段に向上。顧客満足度も大幅にアップ。価格+メイドインジャパンの品質で競争力をつける。フッ素樹脂の他にも、シリコーンゴム、フッ素ゴム、摩耗に強いフッ素をベースにした商品など用途にあわせた複合型高機能材料取組への経緯課 題実施内容取 組取組成果・波及効果結 果9製造・工業食品加工業農林水産業小 売 業環境・リサイクル

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