平成30年度発行 ものづくり事例集(第4刊)
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Company Information課  題取  組結  果最新鋭の複合NC旋盤機械を新規導入する事業■加工スピードの向上■加工不良数30%削減■新規顧客 毎年20%程度獲得■売上 毎年10%の伸び■複合NC旋盤機械の導入NTX2000■顧客ニーズの複雑化による生産性の低下と精度の不安定性株式会社公精プラント■設 立/昭和55年3月■資本金/400万円■業 種/精密部品加工、ラビリンス、弁バルブ、射出成形機部品、半導体及び液晶パネル関連装置部品の製造、アルミ・ステン・チタン材を中心に高精密加工■従業員/20名☎0957-68-2435  FAX.0957-68-3506http://www.koseiplant.com■所在地/〒859-1415 長崎県島原市有明町大三東戊2757番地■代表者/代表取締役 坂本 公生 金属精密部品加工を行う株式会社公精プラントでは、半導体・液晶関連設備部品を含む産業用機械部品の試作品から量産まで取り組んでいる。これまでも、切削加工と穴あけ作業を同時にできる複合機を他社に先駆けて導入するなど複合旋盤加工に特化し、他社と差別化を図ってきた。 この複合機は、X軸Y軸Z軸のそれぞれ90度方向の加工が可能であるが、近年、傾斜角度の加工需要が増えており、その際には工程を分けて作業をする必要がある。 工程を分けることで生産性は低下し、また精度が不安定になることも課題となった。 技術の進歩とともに、複雑になった顧客ニーズに対応するため、傾斜及び三次元加工が可能な複合加工機を導入。従来型の3軸に斜め方向を加え、4軸同時に加工可能となる設備により、作業時間の短縮と製品精度の安定化、そしてより複雑な形状も加工可能となる。 これは総資産の15%超の大規模な投資であったが、そこには更なる他者との差別化と、その先に広がる新たな市場への参入という目標が込められていた。 また、作業員1名で2~3台の機械を掛け持ちで扱っている状況で、工程を集約できることは作業環境の改善にも繋がる。何より、稼働時間に対する意識改革を行なっている同社にとって作業の効率化は必要な事業であった。 設備の導入により加工スピードは大幅に向上した。加工物にもよるが、概ね60%の短縮で、中には90%短縮できるものもある。精度も上がり、複雑な加工が増加する中でも加工不良数は30%削減できている。 新たな市場への参入はまだ実現できていないが、対応できる幅が広がったことで新規顧客を毎年20%程度獲得。これに比例するように、売上も10%ずつ伸びている。 売上の増加は従業員の給与アップに繋がり、作業の効率化、作業環境の改善、所得の向上が好循環で回っている。様々な加工が効率的にできるようになった全24台のうち、複合機の台数は17台。これだけの規模は九州トップクラス複雑な形状の加工を得意とする作業の見える化。稼働時間、停止時間のサイクルタイムもデータ化し、作業効率や利益への反映を分析他社に先駆けて技術力を強化するも、顧客ニーズはより複雑に。時間の短縮と精度の安定。新規顧客、売上ともに右肩上がり。作業効率、品質の安定に加え、意識改革にもつながる設備の導入。取組への経緯課 題実施内容取 組取組成果・波及効果結 果11製造・工業食品加工業農林水産業小 売 業環境・リサイクル

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