平成30年度発行 ものづくり事例集(第4刊)
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Company Information課  題取  組結  果『4inchベンダー用最新制御装置』の導入によるボイラ製作合理化システムの確立■曲げ加工時間8%短縮■補修作業40%軽減■リードタイム約33%削減■ヒューマンエラー撲滅■高精度・高速の最新制御装置の導入最新のACサーボモータ・サーボバルブ、TIF型高速処理コンピュータ、曲げデータ統合管理ソフトを備えた最新制御装置の導入■ボイラ製造工程のチューブ曲げ加工における作業の非効率性■設 立/昭和6年7月■資本金/6,000万円■業 種/陸・舶用ボイラ・排ガスボイラ設計製作 他■従業員/約180名☎095-878-7878(代表)  FAX.095-878-7879http://marukin-sato.jp■所在地/〒850-0977 長崎県長崎市土井首町510番地2■代表者/代表取締役社長 木庭 吉昭株式会社丸金佐藤造船鉄工所 重量物・大型構造物の製造を行う丸金佐藤造船鉄工所は、国内唯一のVLCC(石油タンカー)用補助ボイラの製作メーカーとして2,000缶(機)以上の製作実績を持ち、県内外の造船・プラント等のエキスパート企業との取引がある。 しかしながら、ボイラ製造の核となるチューブ曲げ加工において、既存の設備は初期モデルであるため非効率な作業が余儀なくされていた。 2017年に始まる、シェールガスの輸出を見据えLNG(ボイラ)船の受注が本格化し、タンカーの船腹需要が浮上する他、陸上分野においても、原子力の代替として火力発電の設備増強が相次ぎ、補修・改造工事が増加傾向にある。これらを背景とした短納期、量産化に対応するためにも作業の効率化が必要であった。 ボイラ製造工程のチューブ曲げ加工時に使用している4inchNCベンダーは九州に2台しかない設備である。今回、このベンダーに最新のACサーボモータ・サーボバルブ、TIF型高速処理コンピュータ、曲げデータ統合管理ソフトを備えた最新制御装置を導入し、バージョンアップを図ることで他では真似のできない技術力の確立を目指した。 「曲げ加工スピードが遅く、安定した制度確保が困難なため補正作業が発生」、「データ処理速度が遅い」、「曲作業データバックアップ採取に時間がかかる上、作業員も2名必要」、「曲作業データ入力時に三次元図形表示が装備されていないため入力ミスが発生」といった、同社が抱える課題を解決し、これまでの弱みを一気に強みに転換しようとする試みである。サーボモータは曲げ加工スピードに寄与し、1ボイラあたり8%の時間短縮につながった。曲げ加工精度に関してもサーボバルブのバージョンアップにより向上。通常、生産を続けると油温の関係で精度が落ちてきて補修作業が必要になるのだが、今回の導入によりこの作業も40%軽減できている。結果、リードタイムを約33%削減でき、短納期、量産化への対応も容易になった。 また、入力したデータを3Dポリゴン表示で目視確認できるようになり、ヒューマンエラーも撲滅。大手顧客の信頼を勝ち得ている。LNG船受注の本格化、火力発電設備の増強に伴うニーズの高まり。自信のある技術力をさらに強固にし、大手顧客からの揺るぎない信頼へ。核となる作業工程に設備を導入し、これまでの弱みを強みに転換。工場に隣接した岸壁。重量物であるボイラを大型クレーンを用いて直接運搬船に積み込めるチューブを曲げる加工はボイラ製造の必須工程である4inchNCベンダー。今回のバージョンアップで技術力を確固たるものにした取組への経緯課 題実施内容取 組取組成果・波及効果結 果15製造・工業食品加工業農林水産業小 売 業環境・リサイクル

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