平成30年度発行 ものづくり事例集(第4刊)
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 敏彩窯は、私の祖父の代から三股皿山で三股青磁を採掘し、陶石を選び、素地土を選び、天然呉須をブレンドして他には真似のできない和食器を製作してきました。私が藍色にこだわるのも、そんな伝統を守りたいからです。焼き物づくりで言えば、実際の火の色を目で見て焼くのが本来のやり方かもしれません。しかし、藍色が日本の伝統工芸色として高い評価を受け、海外でもジャパンブルーとして注目されるようになった昨今、一部デジタル化も時代の流れではないか、と今回の導入に至りました。それでも私たちが目指すのは、手描きの絵付にこだわった風合いを大切にした柔らかい感覚。試行錯誤の結果、独特の風合いを損なわずに量産化を実現できたと思います。伝統を大切にしながらも時代にマッチ。目指したのは、自然に近い窯の構造です。代表 小林 晴敏有限会社敏彩窯16

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