平成30年度発行 ものづくり事例集(第4刊)
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Company Information課  題取  組結  果UV印刷機導入による特殊印刷分野の強化■印刷工期50%削減■外注費90%以上削減■作業環境の改善■自然環境保全に貢献■最新型UV印刷機の導入・独自の特殊印刷技術を確立・競合他社との差別化■ラベル、シール印刷の多様化・フルカラー印刷への対応・短納期への対応■価格競争の回避■設 立/平成23年8月(合併)■資本金/2,000万円■業 種/印刷業■従業員/20名☎0956-32-8686  FAX.0956-32-8626http://q-dai.jp■本 社/〒857-1162 長崎県佐世保市卸本町2-7彼杵支店/〒859-3807 長崎県東彼杵郡東彼杵町彼杵宿郷837-10■代表者/代表取締役社長 森山 隆明株式会社九大印刷 株式会社九大印刷は、佐世保市にある印刷会社である。チラシ等の一般的な印刷も行うが、ラベルやシールといった特殊な印刷も行うのが特色。シール専用の機械を持つ業者は長崎県内に2社しかなく、同社の強みとなっている。 とは言え、県内における印刷業者は、製造業における事業所数のランキングで第7位にあるほど数が多く、印刷激戦地であり、ネット印刷の普及もあって価格競争が激化していた。 また、商品パッケージ市場の多様化に伴い、フルカラーのラベルやシールへの印刷受注が増加しているが、従来の機械ではフルカラー印刷の対応ができないことも課題であった。ラベルやシールへのフルカラー印刷受注時には外注に頼っていたが、外注費は年間600万円にものぼっていた。今後もラベルやシールの需要が続くことは十分に予想されるため、最新型のUV印刷機を導入。外注費の削減と共に、独自の特殊印刷技術を確立することで元々の強みであったシール印刷分野を更に強化し、競合他社との差別化をねらったのである。 また、この機械の導入により、印刷に使用するインクも油性インクからUVインクへと変わる。UVインクは速乾性に優れているため、従来、約半日から1日必要であった印刷後インクを乾燥させる「乾燥待ち」の工程が不要となり、短納期への柔軟な対応に加え、型抜きや表面加工の必要なシールもワンパスで製造が可能となった。 導入したUV印刷機は、従来の印刷機と比べ4倍の生産性能を持つ。「乾燥待ち」の工程も不要となり、印刷工期は50%削減した。外注費もほとんどなくなり、90%以上の削減を達成。利益率が向上したことで、給与アップなど従業員への還元も図れている。 また、リサイクル適正に優れたUVインクを使用することで環境への配慮もできるようになった。油性インクでは保管時にできる表面の油膜を廃棄していたが、UVインクでは油膜自体ができないため産業廃棄物も減少した。UVインクは「揮発性有機化合物」を発生させず人体への影響が少ないことも大きなメリットである。ラベル、シール印刷需要の多様化で外注に頼らざるを得ない状況。印刷工期50%削減で短納期に対応。外注費90%以上削減で利益率向上。最新型UV印刷機の導入で一貫生産体制を確立。多彩なラベル・シールの印刷に対応できることが強みエコマーク取得のUVインク。自然環境や作業環境に優しいUV印刷機の導入で、フルカラーのシール印刷も社内で対応可能になった取組への経緯課 題実施内容取 組取組成果・波及効果結 果21製造・工業食品加工業農林水産業小 売 業環境・リサイクル

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