平成30年度発行 ものづくり事例集(第4刊)
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Company Information課  題取  組結  果柱製作工程の自動化で生産工数削減・短納期を実現し、競争力を強化する■生産性200%達成■人件費50%以上削減■売上200%達成■従業員の給与アップ+新規雇用2名■柱大組立溶接ロボットシステムの導入■既存の溶接ロボットとソフトウェアを活かせていない■旧態依然の生産工程となっている■短納期・大型物件への対応困難■設 立/昭和52年7月■資本金/500万円■業 種/鉄骨加工業■従業員/15名☎0957-72-3598  FAX.0957-72-6474■所在地/〒859-1504 長崎県島原市深江町丁7309-2■代表者/代表取締役 武田 敬人有限会社武田鉄骨  鉄骨業界を取り巻く環境として、建築物の増加に誘発された短納期対応、熟練工の高齢化による人材難、鉄骨の大型化による溶接量の増加と耐震性の向上に伴う高い溶接品質の要求があげられる。 武田鉄骨は、これら問題を解決するため、最新式の溶接ロボットとソフトウェアを導入するなど溶接の自動化に積極的に取り組んできた。しかし、これらで対応できる自動化は柱製作工程の一部分だけであり、結局は熟練工の手溶接工程となっている。 旺盛な県外の大型物件の新規受注増大を目指すには、旧態依然とした鉄骨柱生産工程から脱却し、短納期に応えられる体制を築くことが必要であった。 従来の設備では、キューブ状の鉄骨を製作することができる。これらキューブ状の鉄骨をつなぎ合わせて柱を成型するのだが、最新の「柱大組立溶接ロボットシステム」を導入することで、キューブ状の鉄骨の製作から柱の成型までの溶接を、ほぼ100%自動化できる。 これにより、手溶接時には鉄骨を天井クレーンで持ち上げ、反転作業が必要であったものが不要になり、大幅な時間短縮と事故の防止につながる。また、既存設備と最新設備を組み合わせてもつ事業社は県内に他に無く、国内トップクラスを実現する溶接品質は、同社の十分な強みになり得るものである。 手溶接時には欠陥が発生するなどして工程が詰まり、それまで唯一自動化できていた本溶接ロボットの稼働率も40%だったが、設備導入後は欠陥発生がゼロとなり、稼働率も90%に向上。生産性が倍増した上に品質のばらつきもなくなり、製品力が向上した。また、従来3人必要だった溶接工も1人で対応できるようになり、人件費も50%以上削減できている。 生産性の向上と確かな溶接品質の実現により県内だけでなく九州一円からの受注も増え、売上も200%を達成。それに伴い、ヤードの整備・拡大を行った。さらに従業員の給与アップ、および2名の新規雇用にもつながった。現在、若手社員には溶接免許取得を斡旋し、社員の技術養成にも注力している。さらなるヤードの整備・拡大も今後の事業計画に加わった手溶接(写真左)と自動溶接(写真右)では仕上がりも異なる溶接の自動化に取り組むも、旧態依然とした生産工程の現実。短納期への対応と美しい溶接品質を実現し、売上も倍増。新たな設備を導入することで、従来の柱製作工程を一から見直す。取組への経緯課 題実施内容取 組取組成果・波及効果結 果23製造・工業食品加工業農林水産業小 売 業環境・リサイクル

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