平成30年度発行 ものづくり事例集(第4刊)
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Company Information課  題取  組結  果生産性向上に加え「ヘリ無し畳、防災畳の新規販路拡大」の実現■生産性向上(ヘリ無し畳生産量300%達成)■ヒューマンエラーゼロ■品質の安定化実現■作業環境の改善■コンピュータ制御の裁断機の導入■自動割付ソフトの導入■データ書込みユニットの導入■集塵機の導入■商品の品質向上■ヒューマンエラー防止■生産性の向上■作業環境の改善■設 立/昭和41年3月■資本金/1,000万円■業 種/畳製造・販売・企画開発■従業員/18名株式会社勝手☎0957-52-3360  FAX.0957-52-7671http://www.tatami-tsuuhan.net/■本 店/〒856-0829 長崎県大村市松山町236-3長崎店/〒852-8111 長崎県長崎市高尾町6-42 フォンタニーナ・タカオ■代表者/代表取締役 勝手 孝英 株式会社勝手の主となる事業は畳の製作、販売である。従来の製作では、裁断時、人の手によって裁断機を操作し、畳をカットしていたが、これには職人的な勘も含まれる。人が変わると寸法も変わってしまう等の不安定要素があることに加え、現場から採寸してきた寸法を割りつける際、計算ミスにより不良品が発生することも多かった。 更に、近年では住宅が多種多様になり、畳の厚み、形状も多様化している。特に需要が高まっているヘリ無しの畳を従来の機械で製作しようとすると、裁断を2台の設備で行わなければならず、生産効率が悪くなることも課題としてあった。 そこで、コンピュータ制御の裁断機および寸法の自動割付ソフトを導入。パソコンに入力した寸法をデータで管理することでヒューマンエラーの軽減を目指すとともに、同じく導入した、作成したデータを保存する書込みユニットを用いて裁断機と連動させることで寸法精度の安定化を図った。 この新たな裁断機は裁断角度も-13度~+13度まで調整可能であり、厚さ55~60mmの通常の畳はもちろん、近年需要が高まる厚さ12mm~の畳製作にも1mm単位で対応できる。ヘリ無し畳の裁断も1台でできるため大幅な作業の効率化も図れるのである。 また、品質と作業効率の向上を機に、作業環境の改善も目指し、集塵機も導入した。木質繊維を原料とする畳の製作では大量の埃が発生し、作業環境を悪くしていたことも懸念されていたためである。 新設備の導入より、ヘリ無し畳の生産量は月に20枚から60枚へと3倍に向上。畳全体で見ても年産帖1万枚から1万2千枚に向上した。売上も順調に伸び、従業員の給与アップにもつながっている。また、2名の新規雇用も行なったが、要因として、これまで熟練工しかできなかった割付作業、裁断作業を自動化することで、作業者のスキルレベルに関わらずできるようになったことが大きい。その成果として、製作時のヒューマンエラーはゼロとなり、品質も格段に向上している。 集塵機の導入に関しても作業環境が改善。終了後の清掃時間の短縮にもつながった。株式会社勝手は新商品の開発にも力を入れている。「洗える畳」「防災畳」の両方を兼ね備えた「あらぼう畳」は、第64回長崎県発明展くふう展で長崎県知事賞を受賞コンピュータ制御により寸法精度が安定。作業者のスキルレベルに関係なく楽に作業できるようになった多様化する畳の厚み、形状への対応に四苦八苦。生産性の向上と品質の安定化を実現。環境も改善され、雇用にもつながった。ニーズに無理、ムラ、無駄なく対応できる新設備の導入。従来は手尺を用い、遠いところで80cm離れたところから目視で寸法を合わせていた取組への経緯課 題実施内容取 組取組成果・波及効果結 果25製造・工業食品加工業農林水産業小 売 業環境・リサイクル

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