平成30年度発行 ものづくり事例集(第4刊)
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Company Information課  題取  組結  果IoTとパワードスーツを用いて安全かつ生産性を向上し競争力を強化する■不要容器発生100%撲滅■作業時間50%削減■誤充填ゼロ■システム導入(RFタグ、サーバー、ソフト、RFタグリーダー)■IoTの確立■パワーアシストスーツの導入■容器の在庫過多■容器の不要延滞金発生■短納期対応のニーズ■ミスの増加■作業者の高齢化☎095-861-9555  FAX.095-861-9550http://www.nagasaki-honda.co.jp/■本 社/〒852-8016 長崎県長崎市宝栄町22-21諫早事業所/〒854-0065 崎県諫早市津久葉町1927-5佐世保支店/〒857-0854 長崎県佐世保市福石町3-14■代表者/代表取締役社長 本田 郷之■設 立/昭和61年2月■資本金/5,000万円■業 種/各種高圧ガスの製造・販売 他■従業員/50名本田商會株式会社 産業活動に必要不可欠な高圧ガスを販売する本田商會株式会社は、創業104年の老舗企業である。 高圧ガスの輸送には容器を用いるが、これは「通い容器」である。バーコードによる管理が一般的であるが、「はがれやすい」、「読み取りエラーがある」、「容器の情報が現場では一切わからない」、「容器管理情報が2~3項目に限られる」といった欠点があり、これにより「長期在庫の発生」、「長期延滞金の発生」、「容器劣化による爆発事故の発生」などの課題を抱えていた。 また、高圧ガスの製造・充填の面でも、短納期対応へのニーズが高まる反面、作業者の高齢化に伴いミスの増加、工程管理ができない等の課題があった。 平成25年度の補助事業において、高圧ガス容器管理のIT化に取り組み、「容器情報の見える化」を図った。具体的には高圧ガス容器の上部にRFタグを装着し、サーバー上で個体管理番号や充填日、納入日、経歴情報などの一元管理を行うというものである。これにより、同じく導入したRFタグリーダーで読み取ることで、現場でも容易に情報を引き出すことができる。 しかし、これだけではRFタグの性能を100%引き出せているとは言えず、28年度の補助事業においてRFID管理による液体ガス充填システムの確立を図った。これはRFタグに記録された情報を活用し、自動制御で液体ガスを充填するというものである。従来型の人的な充填から自動化することで、誤充填の軽減とともに、作業の効率化も図れる。また、100キログラム近い容器を起こす・倒す作業は人が行うため、作業員の身体的負担を軽減するパワーアシストスーツも導入した。 容器情報の一元管理により顧客の適正在庫、適正利用日数を実現した。従来の管理では、どうしても不明容器が発生し、不要な延滞料金につながりがちであったが、RFタグの導入により、不明容器の発生は100%撲滅。不要な延滞料金もなくなったとして顧客からも大変満足していただいている。 また、RFID管理による液体ガス充填システムでは、自動化により作業時間が50%削減。作業効率が格段に向上したことで短納期への対応もできるようになった他、誤充填もゼロとなった。 販売業者の視点であった従来のシステムから、顧客視点に立ったこれらのシステムへの移行は顧客ニーズを満たし、新規顧客を紹介していただいたこともあって売上は順調に推移している。従来型のバーコードによる管理は欠点が多く、販売業者視点のシステムのため、顧客ニーズを満たしていなかった導入したRFタグ作業員の身体的負担を軽減するパワーアシストスーツRFID管理による液体ガス充填システムにより、計画的な充填が可能となったIoTで情報を一元管理。一日、一月の動向がわかり、作業の効率化に生かされている顧客ニーズを満たしていない現状の払拭と商品管理体制の課題。不明容器発生率の100%撲滅を実現。更なる機能強化と高付加価値化を視野に。従来の販売業者視点のシステムから新たな顧客視点に立ったシステムの確立。取組への経緯課 題実施内容取 組取組成果・波及効果結 果27製造・工業食品加工業農林水産業小 売 業環境・リサイクル

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