平成30年度発行 ものづくり事例集(第4刊)
31/68

課  題取  組結  果Company Information当社開発商品「長崎オマガリにゃまがし」の量産体制の整備による事業拡大■「長崎オマガリ」ブランドを確立し、 若年層の顧客獲得に成功■作業効率の向上■売上15%/年アップ■自動餡練り機の導入■自動包餡機の導入■連続シール機の導入■大量生産への対応■細菌汚染の可能性の払拭■設 立/昭和31年9月■資本金/300万円■業 種/菓子製造販売■従業員/3名☎095-822-0543  FAX.095-821-6482http://www.s-nagasakiya.com■所在地/〒850-0017 長崎県長崎市新大工町4-10■代表者/代表取締役 井上 昌一有限会社長崎屋 長崎市新大工町商店街の中に店舗を構える和菓子専門店。以前から、顧客、知人、友人より「猫のお菓子が欲しい」、「可愛らしい手土産が欲しい」といった声が寄せられており、「長崎オマガリにゃまがし」という新商品を開発した。 第46回長崎県特産品新作展「奨励賞」、長崎スイーツコンテスト「長崎市長賞」を受賞したこのお菓子は反響もよく、従来の顧客である近隣の年配女性以外に、男性や若年層、県外者など客層が広がるとともに、売り上げも年間400万円近くとなり、年商の15%程度を占めるまでに至った。 しかしながら全て手作業で作るため、製品になるまでに時間がかかり、1日に製造できるのは10セット程度。作ってもすぐに売り切れる状況で、特に遠方から来店された顧客からはクレームの対象になることもあった。 また、製造工程が多い中での手作業は、万全を期していても細菌汚染のリスクが高くなるのも課題だった。 これら課題を解決し、量産体制を整えることで本商品が主力商品となることを期待した。 「長崎オマガリにゃまがし」は、ジャム、白餡、練りきりの3層構造からなる。製造工程は「ジャム、白餡、練りきりをそれぞれ作る」、「ジャムを白餡で包み、それをさらに練りきりで包む」、「目、口、ひげ、耳をつける」、「包装をする」の4つ。 「目、口、ひげ、耳をつける」工程は細かい作業になるので手作業で行うとしても、それ以外に関しては機械化ができないかと、「自動餡練り機」、「自動包餡機」、「連続シール機」をそれぞれ導入し、作業時間の短縮と効率化を図り量産体制を築くとともに、衛生面でも安全安心な製品づくりを目指した。 「自動餡練り機」の導入で、餡10kgの練り作業時間が約25%短縮。「自動包餡機」、「連続シール機」に関しても、大幅な作業効率の向上が図られた。これまでの課題であった空気もれも確実に防げるようになる等、衛生面でも安全性が増し、安定した品質の商品を提供できている。 職人が他の仕事をできるようになったことで、現在は「長崎オマガリにゃすてら」の展開も行うなど、「長崎オマガリ」シリーズをブランド化。長崎の特産品であるカステラと、尾曲り猫の愛らしさのコラボレーションが受け入れられ、20代~40代の客層もさらに増加。売上も毎年15%程度アップするなど順調な推移を見せている。長崎の猫の8割を占めるといわれる、尻尾が曲がった『尾曲がり猫』をモチーフとした「長崎オマガリにゃまがし」導入した自動餡練り機。作業が自動化されたことで、職人が製品の製造に時間を使えるようになった「長崎オマガリにゃまがし」は、生産が追いつかないほどの人気ぶり。「長崎オマガリ」ブランドの確立で、若い客層も取り込めている。生産工程を機械化し、量産体制を確立。衛生面でも安心できる商品へ。『尾曲がり猫』の焼印を押した長崎カステラ。1切れタイプ(焼印は4種類)と0.375斤の2種類取組への経緯課 題実施内容取 組取組成果・波及効果結 果29製造・工業食品加工業農林水産業小 売 業環境・リサイクル

元のページ  ../index.html#31

このブックを見る