平成30年度発行 ものづくり事例集(第4刊)
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課  題取  組結  果■生産性が2倍以上向上(生産量:2,400個/日から4,800個/日へ)■海外販路の拡大(6都市から12都市へ)■作業環境を改善Company Information■レトルト殺菌装置の導入■急速冷凍装置の導入胡麻豆腐の製造工程効率化と海外販路拡大■生産性・生産効率の向上■品質を維持しつつ、賞味期限の延長■作業環境の改善■設 立/昭和50年4月■資本金/300万円■業 種/胡麻豆腐製造・販売■従業員/14名☎0956-31-1756  FAX.0956-34-0356https://www.houmoto.co.jp/■店舗・事務所/〒859-3242 長崎県佐世保市指方町570-1工 場/〒857-1152 長崎県佐世保市黒髪町627-2■代表者/代表取締役 法本 憲一郎有限会社法本胡麻豆腐店 法本胡麻豆腐店は、「長崎胡麻とうふ」の専門店である。本葛100%の胡麻豆腐や、焙煎した胡麻の風味が香り立つ商品、天領長崎らしく砂糖を用いたデザート感覚の品等、専門店ならではの数々のレパートリーを揃えている。その全ては、一切の保存料、着色料を使っていない無添加のこだわりである。従来、採用していた蒸気殺菌工程は、製品の仕上りにばらつきがあり、高温多湿な重労働環境に加え、人手不足による生産体制の確立も危ぶまれた。商品の品質向上と安定的な市場への供給を目的として、レトルト殺菌加工する工程は外部委託しており、委託先の稼働状況によっては納品の遅れや、従業員の残業が余儀なくされていた。加えて、すでに取引のある海外都市のバイヤーからの賞味期限延長の要望・ニーズにも答えたい状況であった。 また、生産時の加熱・煮込み工程で、工場内の温度が異常値を計測する作業環境の改善も必要であった。生産性を向上させ、かつ、従業員の負担を軽減させる目的でレトルト殺菌装置を導入した。殺菌工程を内製化できることで、これまで委託先の都合に左右されていたスケジュールも、納品先ごとに柔軟な対応が可能となる他、製造量を自社工場の稼働状況に合わせて調節できるため、計画的な製造管理も可能となる。 また、品質を保ちつつも賞味期限の延長に応えるために急速冷凍装置を導入した。これまでも一部は通常冷凍による商品を製造してはいたが、これは解凍時に沸騰したお湯に30分くぐらせなければ品質が低下してしまうという問題があった。その手間から販売量を拡大できずにいたが、急速冷凍装置の導入により、通常の解凍方法で凍結前と変わらない品質・うまみの胡麻豆腐を提供できるようになるため、海外販路の拡大も期待されるのである。レトルト殺菌装置の導入により、従来7日ほど費やしていた製造期間が3日で済むようになり、4日間ほど短縮した。生産性も2倍以上に向上。また、加熱・煮込み工程をレトルト装置内部で同時にできるようになったことで、工場内の温度が異常値を示さなくなった。これは作業環境の改善、従業員の負担軽減につながり、人手不足の昨今、従業員に長く働きたいと思ってもらえるような職場づくりの一助になっている。 急速冷凍装置の導入では、海外との取引が6都市から12都市に広がった。品質を落とさず長期保存ができることが主な理由だが、何より、飛躍的な生産性の向上により、それまで製造にかかりきりだった社長も時間が取れ、自らが商談に出向けるようになったことが大きい。結果、その地域ごとの好みを肌で感じ、新たな商品に活かすという好循環が生まれたのである。レトルト殺菌装置白や茶といった豆腐の色は、着色料ではなく焙煎具合で出る。社長の職人技がなせる色である海外向けに常温で1年間の賞味期限を実現。もちろん、保存料は使用していない製造工程の外部委託により生じる納品の遅れ。賞味期限延長の要望・ニーズも。人手不足の昨今、従業員が働き続けたいと思えるような職場に。生産工程の完全内製化。こだわりとニーズの両方に応える設備の導入。取組への経緯課 題実施内容取 組取組成果・波及効果結 果31製造・工業食品加工業農林水産業小 売 業環境・リサイクル

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