平成30年度発行 ものづくり事例集(第4刊)
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崎永海運株式会社課  題取  組結  果Company Information■設 立/昭和36年1月■資本金/2,000万円■業 種/内航海運業・内航運送取扱業・港湾はしけ運送業・曳船作業、船舶貸渡業・産業廃棄物収集運搬業・農産物の生産及び農産物加工販売■従業員/88名フルーティ・トマトの栽培施設と選果場システムの効率化■農地拡大■作業負担軽減による新たな作物栽培への挑戦■燃料費3割軽減■自動灌水システムの導入■ハウス加温機、ヒートポンプの導入■選果場システムの効率化■簡易リフト、ローラーコンベアの導入■感覚に頼った生産体制■作業員にかかる負担が膨大■燃料費の軽減■選果場の老朽化☎095-896-2296  FAX.095-896-2644http://www.takashima-nouen.com/(たかしま農園)■本 社/〒850-0936 長崎県長崎市浪の平町4-11高島トマト事業部/〒851-1315 長崎県長崎市高島町2707■代表者/代表取締役社長 北川 栄太 長崎市浪の平町に拠点を置く崎永海運株式会社は、海上輸送の他にも、長崎港から船で約30分の離島、高島で「たかしま農園」を運営している。ここで栽培されている「たかしまフルーティトマト」は、高糖度ブランドトマトとして多くのファンを獲得している。 しかし一方で、輸送コストやハウスの老朽化などにより年間500万円相当の重油費負担が強いられ、トマト事業経営を圧迫。築100年以上経過した選果場の老朽化も重なり、利便性が悪い上、人力による作業は作業員に膨大な負担をかけていた。 需要に応じてさらに生産を拡大するにあたって、作業の効率化と経費の削減が必要であった。 とはいえ、トマトの収益性と収量性は少なくとも維持しなければならない。そのために重要であるのが「水分管理」と「温度管理」である。 「水分管理」においては自動灌水システムを導入。灌水チューブによる灌水で、灌水時間、灌水量を自動設定できるようにし、きめ細かな少量多灌水を可能にした。 「温度管理」では、ハウス加温機とヒートポンプを導入。併用することでハウス内をトマトの育成に最適な適温条件に近づけるとともに、燃料費の軽減を目指した。 選果場の老朽化対策としては、選果場の作業効率化を目的として簡易リフト、ローラーコンベアを導入し、選果、選別、箱詰等に係る作業システムのコンパクト化を図った。 作業の効率化は、農地拡大にも繋がった。「たかしまフルーティトマト」ファンクラブ会員も50名規模から、現在は200名以上の方が入会され、収穫体験には神戸や横浜からも参加者が来島する。燃料費に関しても、旧ハウスと新ハウスを同面積で比較すると3割程度の削減に成功。 売り先も、長崎県内のスーパーに加え、現在では函館のスーパーからも引き合いが来るなど広がりを見せている。今後は、更なる「たかしまフルーティトマト」のブランドを高めるため、トマト作りはもちろん営業面でも探求し邁進していきたい。「たかしまフルーティトマト」の高付加価値化と生産性向上を目指して。水分管理、温度管理を自動化。燃料費の削減、選果場の老朽化に対応。農地拡大が、ファン層の拡大へと繋がった。そして更なるブランド化の確立へ。「たかしまフルーティトマト」は、糖度によって品名が分類されている自動灌水システムかつては炭鉱で栄えた高島。炭鉱閉山後の「島の新たなる産業」としてトマト栽培は期待されている加温機とヒートポンプで温度が一定に保たれたハウスローラーコンベアにより重コンテナの移動、搬出が容易に取組への経緯課 題実施内容取 組取組成果・波及効果結 果製造・工業食品加工業農林水産業小 売 業環境・リサイクル37

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