平成30年度発行 ものづくり事例集(第4刊)
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課  題取  組結  果Company Information業務用装飾花の鮮度保持と生産性向上による売上拡大事業■作業環境の改善■作業効率の向上■生花小売業者との連携実現■高機能付ウォークイン・ストッカーの導入■新たなビジネスモデルの創出■作業場機能の脆弱性■生花小売業界としての技術者不足、事業縮小の流れ■設 立/平成元年8月■資本金/350万円■業 種/生花販売■従業員/4名☎& FAX.0959-23-3303■所在地/〒857-2306 長崎県西海市大瀬戸町東浜428-1■代表者/山田 紀行花工房るふらん 経営者以下3名が一級フラワー装飾技能士の資格を有する「花工房るふらん」。経営者以外の従業員が資格を取得しているケースは同業他社を見回しても稀である。 一方、生花小売業界の状況としては、フラワー装飾技術者不足という課題を抱えている。経営者の高齢化から事業縮小を選択するケースも散見されるが、このような生花小売業者は長年の経営実績により、地元に根強い顧客層を有しているケースが多い。 そのような技術者不足に悩む同業者に対し、「るふらん」が持つフラワー装飾の技術を提供するという新たなビジネスモデルの創出を考えた。 この経営戦略を実現するにあたって、作業効率の向上と作業日数の確保が課題となった。「既存のストッカー」は小容量なため完成した商品を保管することができない。また、鮮度保持能力が低いため、商品を納品の1~2日前からしか制作できず、複数会場の受注時には対応不可能となり断らざるを得ないケースも発生していたのである。 そこで、大型かつ最新型のウォークイン・ストッカーを導入。台車に乗せたまま商品の出し入れができるようにするため、ドアを大きくカスタマイズする他、照明は太陽光に近い光にし、ストッカー内外の温度変化が少なくなるように、温度、湿度をコンピュータ制御できるようにした。それにより多品種の花を取扱うことが可能となり、顧客開拓や多様なオーダーへの対応の窓口が広がった。ウォークイン・ストッカーを導入したことで、より繊細な温度、湿度の管理が可能となり、植物にいい環境が作れている。商品の開花促成や抑制もスムーズに行え、生花の鮮度保持も格段に改善。商品の制作も3~4日前から可能になったおかげで残業時間が格段に軽減する等、作業環境の改善にもつながった。また、台車に乗せたまま商品保管が可能になったことで、女性一人でも出し入れができるようになり、作業効率も大幅にアップした。 これまで以上に在庫を抱えられるようになったが、逆にロスは10%程度軽減し、利益率が向上。近隣の生花小売業者との連携も、これまでに2件の実績があり、現在相談を受けている案件も複数ある。近隣の花屋に、スタッフや設備等を提供するビジネスモデル。残業時間の軽減で作業環境改善。在庫ロスは減少し利益率アップ。植物のこと、そして人のことを考えたストッカーをオーダーメイド。一級フラワー装飾技能士である山田氏は、フラワーデザインコンテストの審査員補佐も務める台車に乗せたままで、商品の出し入れが可能バリアフリーにも対応したウォークイン・ストッカー広々としたストッカーに、色とりどりの植物がズラリと並ぶ取組への経緯課 題実施内容取 組取組成果・波及効果結 果41製造・工業食品加工業農林水産業小 売 業環境・リサイクル

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