平成30年度発行 ものづくり事例集(第4刊)
46/68

 移動型固定式放射能検知器の開発では、反射センサーを見つけたことが大きかったですね。これにより、1基の検知器で放射線量を測定できるようになり、「移動型」が現実のものとなったわけですから。しかし、開発より大変だったのは、その後の精度検査でした。韓国からの要求はものすごく高くて、対象物に対して5箇所の検査が必要で、1箇所につき60回の検査を行い、それぞれ58回以上の合格で性能を認めるというものでした。開発した検知器はこの基準をクリアし、現在も韓国との取引を続けられています。今後、台湾やベトナムなどからも同じような条件を要求されるかもしれませんが、今回導入した設備があれば、安心して事業を継続できます。「移動できればいいな」の発想から生まれた日本初の移動型固定式放射能検知器。専務取締役 天野 洋誌宝和金属株式会社44

元のページ  ../index.html#46

このブックを見る