アーケード内に設置している既存の防犯カメラを高解像度でネットワーク環境に対応したものに再整備を行い、深夜営業の店舗等の増加に伴う防犯への取り組みを強化するともに、全国でも珍しい商店街内にAEDを設置し、さらには当商店街を含めた地元「浜んまち」6商会の連携により地域社会への貢献を強化するものである。

　長崎市の中心に位置する当組合は戦後より長崎市一番の繁華街として栄えている。道幅も広いことから、商店街主催のイベントに加え、行政、民間企業が主催しているイベントも多く、賑わいがある商店街の１つである。
　当組合では、近年、深夜営業の店舗が増加したため、安心安全に買い物ができる環境作り及び地域社会への貢献を目的に、防犯・救急対策を強化することとした。

　当組合は、「ベルナード観光通り」（ベルナードとはフランス語で美しいという意味を持つ「BELLE(ベル)」と散歩道の「PROMENADE(プロムナード)」を組み合わせた造語）と命名され、ショッピングや食事を楽しめる「美しい散歩道」として、また、かつて坂本龍馬が歩いたと言われる“長崎龍馬の道”として、市民、観光客らで賑わう商店街である。
　長崎県は、国内でもいち早く中国からの旅行客の誘致に積極的に取組み、商店街と行政に加え、旅行代理店や国際クルーズ会社等とが連携を行っている。商店街に配置した長崎大学中国留学生の通訳（案内役）や外国人向けの日本的趣向のイベント（琴演奏や日本舞踊等）の効果も大きく、当組合を含めた「浜んまち」6商会の連携によって、「面」としての商店街への外国人観光客の誘致に成功している。
　しかしながら、全体としての観光客は減少傾向にあるため、深夜まで営業時間の延長を余儀なくされた組合員が増えてきた。そこで、アーケード内に設置している防犯カメラの台数を２倍強（３４台）かつ高解像度で、ネットワーク環境に対応したものに改修することとし、防犯対策の強化を行うこととした。
　また、当組合では、商店街ではあまり例をみないＡＥＤを２か所に設置し、お客様が万が一急病になった時でも初動対応が可能な安心安全に買い物ができる環境づくりの強化を目指している。

　隣接商店街が初めて防犯カメラを導入（平成14年）した直後に、誘拐事件が発生したが、犯人が防犯カメラに映っていたため、逮捕につながったという経緯があり、当組合としても翌年の平成16年に導入した。今回さらに機能を高め防犯強化に努めることで地域に与える影響は大きく、かつ、防犯意識の向上や犯罪の抑止効果に役立つことが期待される。