県内組合事例紹介
長崎玳瑁琥珀協同組合
住所 〒850-0921 長崎県長崎市松が枝町4番33号
設立 昭和37年2月 出資金 1,400千円
電話番号 095-893-8580 FAX番号 095-893-8581
組織形態 同業種網羅型組合 地区 長崎県
主な業種 べっ甲、琥珀製品の加工または販売
組合員 15人
組合専従者 1人 専従理事 1人
キャッチフレーズ
国伝統的工芸品指定で事業費確保 若手が挑む活性化策
背景と目的
 長崎県の伝統工芸品「べっ甲」。長崎が国内の一大観光地としての地位を確立した昭和後期、業界は土産物需要などで大いに繁栄したが、絶滅のおそれがある動植物の国際取引を規制するワシントン条約により1993年、べっ甲の原材料であるカメの一種「タイマイ」が輸入禁止になると、業界に陰りが見え始めた。近年は販売不振や後継者不足なども深刻さを増している。
事業・活動の内容
 逆風にさらされる業界の厳しい現状を打破しようと動き出したのが「長崎玳瑁琥珀協同組合」と「長崎鼈甲装飾品事業協同組合(=当時、のちに長崎玳瑁琥珀(協)に統合)」の40代を中心とした若手で構成される青年部メンバー4人である。「伝統ある長崎のべっ甲を将来に残す必要がある」との思いから、新たな取組みに向けた資金確保策の一環として、国の伝統的工芸品指定に向けた活動に着手。両組合員で構成する「長崎鼈甲組合連合会」が指定の申請を行う形で2017年1月、指定獲得に成功した。県内での指定は、「波佐見焼」「三川内焼」に続き、39年ぶり3品目の快挙となった。
 指定を受け、国の助成制度を活用できるようになったことから、認知度アップによる販路開拓に向け、首都圏を舞台にべっ甲を使ったワークショップの開催などPR事業に乗り出したほか、後継者育成を目的に職人技を撮影した記録映像(DVD)の作成、国際的な商取引が規制されているべっ甲の原料「タイマイ」確保に向けた沖縄・石垣島での養殖事業などを柱とする事業を精力的に展開している。
 認知度アップに関しては、地元の活水女子大(長崎市)の協力を得て「長崎べっ甲」のロゴを作成するなど、外部組織との連携も積極的に展開している。
成果
 年3回、2年連続で実施したワークショップでは、毎回40 ~ 50人が参加しており、「長崎べっ甲」の知名度アップに着実に寄与している。後継者育成面では記録映像DVDを計6本製作し、催事でのPR素材としても活用している。波及効果としては国伝統的工芸品の指定後、組合員が1社増加した。また、結果が出るまでに時間がかかる「タイマイ」の養殖研究も継続して取り組んでいく。
子どもも参加したワークショップの様子
活水女子大との連携で作成した
『長崎べっ甲』のロゴ

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