住所 |
〒817-0321 長崎県対馬市美津島町洲藻820番地7 |
設立 |
平成25年8月 |
出資金 |
1,000千円 |
電話番号 |
0920-54-6011 |
FAX番号 |
0920-54-6018 |
組織形態 |
異業種連携組合 |
地区 |
長崎県対馬市 |
主な業種 |
一般製材業、素材生産業、運送業 |
組合員 |
5人 |
組合専従者 |
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専従理事 |
4人 |
共同製材で省力化・効率化やコスト減、雇用創出を実現
森林の面積が約89%を占める長崎県対馬市では、林業が長年基幹産業として住民生活を支えてきた。ところが、木材価格の低迷や就業者の高齢化などを背景に、林業を生業とする人が減少。このような厳しい業界の現状を打破しようと、地元の製材業者らが平成25年、共同製材工場の設置を目的とした協同組合を設立し「対馬最大規模」の工場を完成させた。
組合は、強いリーダーシップを有する地元の製材業者で、もりのめぐみ協同組合の代表理事も務める「(有)石井興産」代表が音頭を取る形で平成25年8月に設立。山から木を伐り出す「素材生産業者」や運送業者ら5事業者が手を組んだ。
設立から2年後には総事業費3.5億円を投じて共同製材工場を完成させ、最大歩留まりを自動解析できる製材機を導入したほか、加工機と搬送装置をオートメーション化することなどにより省力化・効率化の実現に成功。伐り出したスギやヒノキは、原木のまま出荷するのではなく角材や板に加工され、輸送コストを削減することも可能となった。さらに、地域経済活性化の観点では、工場新設に伴って新たな雇用も創出している。
工場新設に際しては、投資に必要な資金の調達が課題となったが、長崎県が国の補助金を活用して設けている基金をベースとする「平成25年度長崎県森林整備加速化・林業再生事業」を活用することで原資を確保した。
経営面では、新工場に導入した高性能設備の性能だけに頼るのではなく、価格競争とは一線を画し高品質にこだわる代表理事の戦略が「選ばれる製材所」として顧客の信頼を勝ち取っている。
共同製材工場の生産量は、稼働初年度以降、毎年目標を5~10%程度上回る実績を上げ続けており、2019年度ベースでみても当初計画を5%上回る1万6,500立方メートルを出荷。伐採期を迎えながらも放置される傾向にあった木の伐採・活用に寄与している。工場での雇用もおおむね10人近くを維持しており、今後も、水産業と並び対馬地域を代表する基幹産業である林業の活性化に寄与していくことが期待される。
高性能設備が並ぶ共同製材工場
対馬で伐採された加工前の原木