県内組合事例紹介
長崎県有家手延素麺協同組合
住所 〒859-2202 長崎県南島原市有家町山川391番地3
設立 昭和47年4月 出資金 37,200千円
電話番号 0957-82-0647 FAX番号 0957-82-0947
組織形態 同業種同志型組合 地区 長崎県南島原市
主な業種 手延べ素麺の製造を行う事業者
組合員 30人
組合専従者 8人 専従理事 7人
URL http://www.nagasakinoito.jp/
キャッチフレーズ
素麺積み込み作業ロボットの導入による労働環境の改善
背景と目的
 南島原市は日本の手延素麺の約30%を製造する日本有数の素麺の産地である。当組合は素麺製造業者を組合員として、共同購買仕入、共同出荷を行うために、昭和47年に設立された。組合ブランドの素麺を開発し、徹底した品質管理に取り組み、素麺の出荷量は増加してきたが、それに伴い組合の従業員の出荷作業の負担も増加している。南島原市の少子高齢化は深刻で、人手の確保は難しく、組合の従業員の高齢化が進む中で、作業負担の軽減が課題であった。
事業・活動の内容
 素麺の袋詰め後の運搬積載作業は、約10キロの重さの箱を人力で積み上げる重労働である。この作業に平均年齢50代の女性の従業員が従事しており、身体的に大きな負担となっていた。組合ブランドの素麺の需要は近年増加傾向にあったが、更に新型コロナウイルスの影響で需要が急増し、運搬積載作業の効率化が必須の状況となった。そこで事務局長が中心となって情報収集を行い、ロボット導入による運搬積載の自働化に取り組み、労働環境の改善を試みた。
 取組みにおいては資金面が最大の課題であったが、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」を活用し、組合の負担を抑えて、設備の導入を図ることができた。設備導入前は繁忙期には10キロの箱を1日に600個運搬していたが、ロボットで自働化することができ、大幅な生産性向上が実現できた。
 今回の取組みでは設備導入による生産性向上に加え、従業員の処遇改善も予定しており、作業負担の軽減と併せて、働きやすい環境を整備し、雇用の維持と新たな人材の雇用に取り組んでいく。
 今後は、組合員からの素麺の仕入れ価格を上げることで、より多くの利益が組合員に残る体制を構築する。素麺製造業者の高齢化は深刻で、組合員の減少が進む中で、新たな組合員の加入を促し、島原半島の伝統産業である島原手延素麺の生産を拡大していく。
成果
 ロボット導入により従業員の作業の負担を軽減し、働きやすい職場環境を整備できたことで、雇用の継続に繋がっている。地域の少子高齢化は避けられないため、今後、出荷にかかる事務作業や工場での他の作業についても機械化を推進し、更なる職場環境の改善に取り組むことで、新規雇用に繋がることを期待したい。
ロボット導入前の運搬積載作業
ロボット導入により自働化

トップへ